がらくた通り

人によってはがらくた同然のものでも一個人の形成には不可欠だったりする。自我の源泉をたどる旅におつきあい頂けたら幸いです。

1968年製 テレキャスター3回目

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「アッ、ピート(タウンジェント)のレスポール
(70年代のスモールハムバッカー)だ」
「本物60年代SGスタンダードが36万円〜」
「この赤いテレキャス、レアカラーでいかすな〜」
H氏と打ち解けた瞬間から騒ぎ出す僕ら。

H氏は僕らより10歳以上も年上。
言葉づかいは乱暴だけど、
それは彼が僕らと同じ目線で話しをしているからなんだろう。
無器用だけどギターのうんちくが凄い、
僕らのお兄さんといった感じ。

憧れの59年型のレスポールは置いていないのか尋ねると
「58年製だったら1本取り寄せ出来るぞ。
塗装もはげてボロボロだし、あまり勧められないけど80万円」

当時で安くても150万円はしたから掘り出し物。
しかし、とてもそんなお金用立てできないし、
なによりも、ビンテージ・ギター初心者の僕にとっては、
ちょっと難しい買い物。
手を出してはいけないと直感し、それ以上は聞かなかった。

現在では安くても1000万円以上はする59年型のレスポール
今にして思えばちょっと勿体なくもある。

〈つづく〉

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